2025年後半の日本株市場では、上方修正や最高益更新が相次ぎ、業績サプライズを期待できる銘柄が増えている。四季報最新号でも注目度が高い5社をピックアップし、今後の見通しを探った。
日本マイクロニクス(6871)
半導体検査装置大手の日本マイクロニクスは、AI関連やデータセンター向け需要の拡大を背景に業績が堅調だ。2025年12月期の経常利益は133億円と、過去最高益を更新する見込み。メモリ向けプローブカードの出荷が好調で、営業利益率も24%台まで上昇している。下期の需要見通しがやや慎重な一方、円安進行による利益押し上げ効果もあり、通期の上振れ余地が意識されている。
ウィルグループ(6089)
人材派遣・BPOを展開するウィルグループは、9月に通期業績を上方修正。2026年3月期の最終利益を従来比で約11%引き上げ、前年比ほぼ50%増益を見込む。国内では建設技術者派遣が堅調に推移し、海外事業でも円安効果が寄与している。人材業界全体では人件費上昇が続くが、同社はAI活用による効率化を進めており、収益力向上が鮮明になってきた。
構造計画研究所ホールディングス(208A)
設計・コンサルティングを手掛ける構造計画研究所HDは、今期経常利益が前期比10%増の見込み。これで5期連続の最高益更新となる見通しだ。建設DXや防災シミュレーション需要の拡大が追い風となっており、研究開発型企業としての評価が高まっている。人件費上昇などコスト負担はあるものの、利益率は安定しており、中長期の成長持続性が意識される。
アイスタイル(3660)
化粧品プラットフォーム「@cosme」を運営するアイスタイルも業績好調だ。2025年6月期は経常利益が前期比15%増の見込みで、2期連続の最高益を狙う。訪日外国人の回復と国内EC事業の拡大が利益を押し上げている。化粧品メーカーとの協業強化やデータマーケティング事業の成長も期待されており、再成長局面に入ったとの見方が多い。
メイコー(6787)
電子基板メーカーのメイコーは、2025年3月期の経常利益を16%上方修正し、最高益予想を更新した。EV・自動運転関連の受注が好調で、国内外での生産能力増強が奏功している。為替の追い風もあり、輸出比率の高い同社にとって業績拡大の環境が整いつつある。半導体市況の改善や設備投資再開が続けば、さらなる上方修正も視野に入る。
総括
今回取り上げた5銘柄はいずれも、業績の上方修正や最高益更新といったポジティブな材料を持つ。特に半導体関連や人材サービス、消費関連など、マクロトレンドに沿った業種が目立つ。一方で、株価は既にある程度織り込みが進んでおり、今後は持続的な利益成長が試される局面となる。
市場では、業績裏付け型の成長株を中心に投資資金が流入しており、企業の実力差が鮮明になっている。次期四季報では、これら有望株のさらなる上振れが確認されるかが焦点となりそうだ。